永遠に面白く

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投資を始めたきっかけは悲恋小説でした。

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
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現在副業として投資を行っていますが
その原点となったのは 学生時代に読んだ
森瑶子先生の「午後の死」でした。
午後の死 (角川文庫)
森瑶子先生は言うまでもなく、ラブロマンス小説の大家ですが、
この作品は映画化を目指し、マン島でのバイクレースハードボイルド小説に仕立てた、と語っておられました。

え、投資小説じゃないの?と思われるかもしれませんが 当時は厳しい受験を終え
夢見る夢子さんだったので あまり男臭い小説に触手が伸びませんでした。
疲れ果てていたので あまり難しいことを考えたくなかったのです。

ハードボイルド風味ではあったものの、恋愛小説でしたからさくさく読めました。

午後の死の本題は実は恋愛ではなく完全に外見至上主義の小説だと考えています。

美容外科はこの小説を大プッシュして映画のスポンサーになるべきなくらい、
外見至上主義です。

小籔千豊が読んだら怒りのあまりテレビで怒鳴りそうです。

以下
ネタバレ注意。

不良少年だったイワキ(あえてカタカナで記載。海外の雰囲気を残したいので)
がニューヨークの投資大御所に出会い、まず服装を整えることから憧れのバイク、ドウカティを手にいれる
第一歩を踏み出す。

まず社会に認められるには、チャラチャラした安っぽい格好をやめ、服装から鍛え上げないといけないと大御所は語る。

後に経済的にも社会的にも成功したイワキは美しい黒人女性に恋をする。

しかし、染みの浮き出た顔の大御所に対し醜い、老醜をさらすな、うんざりだと言い捨てたことから悲劇の幕が上がる。

その発言にショックを受けた大御所はイワキに復讐をする。彼が最もダメージを受ける方法で。


もし、投資業界に身を投じず、お金をかけて服装を整えなければイワキは地方のヤンキーくずれで終わっていたでしょうし
有能で美しい黒人女性と恋に落ちることもなかったでしょう。

当時は小説の紡ぎだす意識高い雰囲気に完全に影響されていました。
自転車さえ乗れない運動神経なのでバイクには興味がもてなかったですが、投資のほうには心牽かれました。

受験の前私は親に規制されてフリフリピンクの服を着せてもらえなかったこともあり

バイト代を貯めては甘い感じの服を買っていました。
今と違ってまだゆるふわな感じがモテ服だったことも
拍車をかけていました。

ところが、ゆるふわ服でバイトの面接に何も考えずに臨んだところ、
お嬢さんはいらないんだよね、
の一言で終了しました。
塾講師のバイトだったんですが、学歴に自信もあったので少なからず衝撃を受けました。
履歴書より、服装で判断されるんだと
世間知らずの私が悟った瞬間でした。

完全にアホの子でした。




イワキ目線でこの本を読んで、オフィシャルな場面ではゆるふわピンクは封印して、スーツを着ないといけない、よい服を着るためには金がいるので投資をはじめるきっかけになったのです。
スーツは制服です、全くプライベートでは着る気がしなかったです。


いい仕事について高給を得たら、それだけプライベートで趣味にかけるお金が増えるのでビジネススーツは必要経費と割り切りました。


後年買い直して読んでみると
自分が大御所目線になってることに気付きました。
社会経験を積み、歳を重ねたこともあり
ダサピンクを着ると、それこそ老醜をさらすなと言われる恐れが出てきたからです。

もしそれに準じた発言をされようものなら
大御所のように刺客を送りたくなるかもしれません。
自分が歳をとると全く認識していなかった青春時代に、

致命傷な発言を歳上の方にしなくてよかったと
ピンクのガリガリ君桜餅味を自らに買って

褒めてやりたい気分です。


もっとも今ならば大御所は老化防止にビバリーヒルズ美容外科に駆け込むでしょう。

現在甘ダサピンク服に全く執着がありませんし、逆にNYで心身を磨り減らす環境に身を置きたいとも思いません。

動機が相当不純だったとはいえ、投資の世界で色々知識を得て学んだ事は
視野が広がり、世界中に知己を得たことにつながり

逆に外見至上主義が色褪せ、他の価値観を持てるようになったので
心から良かったと思います。


多分森瑶子先生が全く意図していなかった読者の反応でしょうが。